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2014年1月22日水曜日

「ビジネスモデルにストーリを。」SoupStockTokyo 遠山社長の、世界観をつくる3つのポイント


一目惚れで購入した、黒のドットスカート。
留学前でお金を貯めていた私は、この冬ほとんど服を買っていませんでした。
にも関わらず、つい、手が出てしまいました。

この「つい、」にこそ、SoupStockTokyoやPASS THE BATONを手がけるスマイルズ遠山社長の『ビジネルモデルにストーリを』生み出す鍵が隠されていました。




現代版リサイクルショップPASS THE BATONは、タグに出品者の顔写真とメッセージが書かれています。文章で書くと単純な仕掛けに聞こえますが、実際に店舗で一つ一つのタグを見て、モノに込められた想いや出品者の人となりをイメージする一連の流れは、通常のアパレルショップ、リサイクルショップとは一線を画す、なんともほっこりする不思議な感覚でした。

黒いドットスカートは、VERYなど女性誌で大人気のスタイリスト辻直子さんが出品したもの。ちょうど黒いスカートが欲しかったこと、そして辻さんがセレクトしたモノであるという事実が、スカートを履いた時の自分のわくわくしたイメージを連想させました。
 


スマイルズ3つの事業の「ストーリー」

スマイルズの3つの事業を例にしてみましょう。



現代版リサイクルショップ PASS THE BATON
「個人の想いが宿ったモノを、次世代にバトンタッチしていく」

既存リサイクルショップはごみとして捨てるようなものばかり集まり、ユーザは出来るだけ高く買ってほしいが、ショップは出来るだけ安く買いたいという矛盾。逆に、古美術のオークションは絵が1枚3億で売れることも。そのどちらでもない中間、それを作りたい。















無添加スープ Soup Stock Tokyo
「働く都会女性のための温かいインフラをつくりたい」

マクドナルドを代表とする欧米型のファーストフードは体に悪いと見なされるものばかり。フード業界はどうしてこうなっちゃったの?という疑問から、「女性がひとり、お店の一角で、温かいスープをすすっているシーン」が浮かんだ。













ネクタイブランド giraffe 
「サラリーマン一揆。日本のサラリーマンをかっこよく」

現在の日本があるのは頑張って働いた日本のサラリーマンの存在のおかげなのに、サラリーマンがとにかく格好良くない。giraffe=キリンのように首を長くシャキッとして、高い視点で日々生きてほしい。日本のサラリーマンをかっこよく。



世界観をつくりこむための3つのポイント

昨日参加した遠山社長の講演会の内容をもとに、私が感じたポイントをまとめました。

・世の中の「なんでこうなっちゃったの?」をヒントに、あるようでなかったサービスを
・架空の「○○さん」という人物像を作りあげる
「○○さん」っぽいかですべてを判断


1. 世の中の「なんでこうなっちゃったの?」をヒントに、あるようでなかったサービスを

3事業すべてにおいて、遠山社長の「なんで世の中こうなっちゃったの?」という疑問をもとに生まれています。特に、いき過ぎた資本主義、欧米主義に対して、もっと温かみのあるものや、本来はどうだったんだっけ?という切り口で事業化しているように感じました。


2. 架空の「○○さん」という人物像を作りあげる

例えば Soup Stock Tokyoの場合は、「秋野つゆ」という架空人物を生み出し、まるで小説のように人物設定をしていました。

" おっとりしているがシッカリ者で、自立している。人の事はあまり気にせず、個性的。
  あまり、細かい事は気にしない、大雑把。しかしこだわりは強い。
  化粧気はないのに、きれい。オシャレに無頓着なのに、センスがよい。
  装飾的なものは苦手で、シンプルを好む…  "

3. 「○○さん」っぽいかですべてを判断

同じようにgiraffeの場合は「giraffeさん」という人物像を設定し、このgiraffeさんが満足するようなネクタイの柄、お店の雰囲気、接客方法を考えたそうです。giraffeさんの場合は、前向きな思考をもっているので、暗くなるような雰囲気の迷彩柄、ドクロ柄は絶対に採用しない、などその人っぽいか、その人っぽくないかですべてを決めていきます。


ストーリーのあるビジネスモデルを生み出すことに長けている遠山社長、
スープストックのいちファンとして、これからも注目です。
やりたいことをやるというビジネスモデル